今ではテレビ界の伝説となっている江頭グランブルー事件を紹介しよう。
命がけの企画「江頭グランブルー」
江頭グランブルーは大きな水槽の中に入ってどれだけ長く息を止めていられるか?ということを競うシンプルな企画だった。
その元ネタは当時話題になっていた、オウム心理教の修行のひとつ水中クンバカである。
クンバカとは息を止めて体内の気を保つヨガの呼吸法のひとつ。それを巨大水槽の中で行う修業が、当時オウム真理教の行っていた水中クンバカ。それをモチーフにしたのが、江頭グランブルー芸能人対抗水中無呼吸大会なのだ。
江頭と水の戦い
企画第一回目は江頭vsヨガの達人。司会は出川哲朗だ。
達人はヨガの呼吸法で2:45を叩き出すが、江頭2:50は最初の対決から2:59の記録を叩き出し勝利した。
江頭2:50の快進撃は続くと思われたが、吉本興業の刺客清水圭との対決で大惨敗を喫する。清水圭は3分超えの大記録を打ち立て、その根性を見せつけた。
そしてこの惨敗によって江頭2:50はスランプに陥ってしますのだ。
江頭完全敗北でノイローゼに…
その後何度も挑戦するが、自己ベストの2:59秒にも遥か及ばない記録ばかり。
2分も潜れずに水槽を上がった江頭2:50は、沈痛な面持ちでこう語った。
「魔物が付いてる…。一回負けてから怖くなった。圭ちゃんは偉いよ」
そのコメントはお笑い芸人のそれではなかった。実況していた浅草キッドのふたりも、そのリアルな呻きに一瞬絶句する。
完全なる敗北宣言。
巨大な水槽の中には魔物が棲んでいた。江頭2:50は完全にノイローゼ状態に陥り、水に数秒潜ることも困難。風呂にすら入れないといったありさまだった。
企画自体は好評だった江頭グランブルーは苦肉の策として、ライバル清水圭をメインにした「エンゾ清水圭グランブルー」として再スタートを切った。
江頭2:50最後の戦い
グランブルーという企画も下降線をたどり、ついに最終回を迎える。その最終回スペシャルに江頭2:50が乱入するのだ。この江頭2:50の参加はスタッフすら寝耳に水の事態であった。
この時のために秘密で特訓していたという江頭2:50。果たしてスランプを乗り越えられたのだろうか??
息を止めるということ。しかもテレビ番組で。
これは我々が思っている以上に厳しい。その事を証明するかの様に、挑戦者たちは一様に記録が伸びないことを訴える。
やはり緊張してドキドキしていると、体内の酸素消費量が桁違いに増えるのだ。そんな極限状態のラストチャンス。常人ならば、いつもの記録すら越えるのが難しいはずだ。だけど江頭2:50は違かった。
巨大水槽に潜ると、微動だにしないポジションを取る。そして今までとはちがう冷静さで1分を超え、2分を超えた。
今までの江頭2:50にはない死をも覚悟した決意が感じられた。
そして…3分を超え、新記録である3:20秒をも超えた!!
この新記録樹立の瞬間に会場は歓声に包まれ、大いに盛り上がった。しかし数秒後、それはバラエティの領域を超える、震えるような手に汗握る展開になっていくのだ…。
3:20秒の記録を更新し、すぐに水上に上がるであろうと思われた江頭2:50だったが、微動だにせずそのまま潜りつづけたのだ。
3:30秒を過ぎ、40秒を超えても動かない江頭2:50。
3:50秒を超えて会場は悲鳴に包まれる。
今までの江頭グランブルーを観ている視聴者は、それがどれだけ凄いことなのか、それと同時にどれだけ危険なのかも判っているのだ。
「もう上がってくれ!!」
だれもが心の中で思った。観ているだけで息がつまってくる。
4分経過!
とうに人間の限界を超えている。
結果、江頭2:50は4分14秒という大記録を打ち立てた。
放送ではカットされているが、江頭2:50は完全に失神していたという。
対戦相手の清水圭はこの記録に完全に戦意を喪失。同時に、この記録に挑むのはあまりに危険とドクターストップもかかった。
グラン (2015/06/28 Sun 23:58:06) ID:zNmE1Y2I2MTR SmartPhone